日々は去るもの過ぎるもの。

だから書き留めてみるのだ。

表現だけに惑わされずに、表出だって捉えたい。

VoiceWorld Z Meetup vol.4 こころの声・感情を 知って使って元気になろう! - connpass

IQというのもだいぶんメジャーな単語となったけれど、EQという言葉もかなり広まりつつある。Google社も採用しているというemotional quotient。心の知能指数だとか感情指数などと言われているが、いまやビジネスの成功にはIQが2割、EQが8割とまで言われることもあるらしい。

昨年、お世話になっている方の勧めもあって、EQI検査を受けたのだけれど、実際に自分の性格がわかりやすく細かく分析されて面白かった。面白かっただけではなく、コーチングのひとつとして受け止めることができた。

この検査は善し悪しではなく、あくまでも得手不得手に対する値なので、それぞれに対しての特性とそれを得手に変化させるための思考がセットで、なるほどこの分野や方法は不得手なことだなあと改めて意識することができたし、そのマインドセットをすること自体が、ある意味すでにコーチングとなっているように思う。

閑話休題

こんなふうに興味を持っていたEQの第一人者である高山先生のお話をはじめ、コールセンターという自分の職種に関係深い分野である音声解析、音声感情解析、かなり盛りだくさんの話が聞ける、

『VoiceWorld Z Meetup vol.4 こころの声・感情を 知って使って元気になろう!』

に本日は参加。前からこのコミュニティ気になっていたのだけれど、いままでなんだかんだ参加できなかったので初参加。満席御礼。すごい。

 

1つめの登壇は、株式会社EQの高山直さま。

高山先生のお話でとても納得できたのが、前述の、「ビジネスの成功にはIQが2割、EQが8割」という部分においても、それはIQが不要ということではなく、『EQはOSのようなもの』という部分。

EQはあくまでもヒトのベース。その上に、IQや、知識や、スキルや、経験などといったアプリケーションが乗る。だからEQがベースとして必要だし、そこで差も生まれるし、もちろんその上に乗るものでもそれぞれに差が生まれる。感情と頭脳って別軸でも交差軸でもなくて、レイヤーの違うもの。わかりやすい!

x EQ(くろすいーきゅー)という検査を実施されているので、興味のある方はぜひ検査をしてみてくださいね、とのこと。勉強会特典もあって、ハードルも高くなく試せるので、トライしてみたいひとはぜひこの機会に受けてみてほしい。一度(別なシステムだけど)受けた身としては、結構はっきり可視化される自分のタイプと得手不得手を定期的に意識する重要さが身にしみている次第!

 

次の登壇は、オー・エイ・エス株式会社の佐藤光章さま。

「デコールCC.CRM」など、コールセンターと縁深いシステムの提供をしている会社さん。

今回はヒト同士のコミュニケーションをいかに円滑にするか、そして円滑にするための可視化について。

ご機嫌カウンターという、感情や理解度を可視化するためのシステムをベースに、モチベーションを可視化し、離職率の低下につながるコミュニケーションや職場づくり、体制づくりにフィードバック。

あくまでも自己申告ベースではあるけれど、案外みんな素直に入力してくれるとのこと。これはアンケートと違ってワンクリックでほぼ完結するのも、素直に入力しやすいポイントかも。自分を飾らせるような言葉や選択肢で迷わせない。ただシンプルにいまの感情を聞く。

ご機嫌度合いは、悪いところだけをチェックするのではなく、ずーっと変化のない人、など、いくつかピックアップすべき傾向があり、危ないな、という傾向も見て声を掛けたりフォローアップをしていく。

ご機嫌だけではなく、研修の理解度チェックとしても利用でき、日別や時間、単元別に取ることで、モチベーション傾向やスキルの把握を行なったり、また、全体の理解度が低い部分は研修内容や研修時のトラブル有無などの確認をするなどフィードバックにも活用。

これは離職率に悩むコールセンターはもちろん、新卒採用時のフォローなどにも使えそう。また、実際にこのご機嫌度合いを分析するにあたって、退職してしまったひとの結果だけを抽出して分析すると、かなり傾向がわかりやすく出ていることも判明しているのこと。シンプルなだけに取り込みやすそうな技とシステム。

佐藤さまは個人的にもメンタルヘルスやEQに関心が高く、エモーショナルマップやトータルモチベーション指数など、さまざまな感情アプローチについても紹介があって、そのあたりに興味がある自分としてはかなり勉強させていただいた。まだまだ知識も浅くて不勉強な己を恥じ、キーワードをぽちぽちメモる。

 

3人目の登壇は、CENTRIC熊本支店『サービスサイエンスラボ(感情解析テストセンター)』の高尾嘉大さま。

音声感情の解析技術はかなり進んでいて、以前にもコールセンター向けのシステムで(たぶん、まさにCENTRICさまだったと気がするのだけれど、手元に資料が今はない…)、音声解析をしてテキスト化をすることで履歴入力を簡易化し、かつ、そのテキストと音声の解析から、クレームの可能性があると判断した対応にアラートを上げて管理者側に通知するというサービスを見たこともある。

CENTRICさまの解析サービスである、『deep  SEA』においても解析率はかなり良く、情報にマスクをかけた音声だけのファイル解析で立てた仮説は、実態と合致する割合が8割とかなり高い精度。

業務プロセスはもちろん、物事の可視化は非常に必要なステップだと思うのだけれど、それが音声感情解析というアプローチにより、業務面だけではなくて、ヒトの感情という見えざるものの可視化を可能にし、コミュニケーションやメンタルフォローといった、属人的になっていた部分の補完ができるというのは、かなり革新的なことではないかしら。

なお、その結果としてわかりやすいのは(売り込みやすいのは・笑)、やはり離職率の低下など。ここはコスト換算もしやすく、訴求力も高いところ。

コールセンターって、どんなにどんなにお客様が良い方ばかりでも、それでも、自分と違う価値観や物言いや表現の方々とじっくり向き合い、それを何時間も行うことで、目には見えない疲労と、見えないが故に理解されないという切なさと疲弊が、知らず知らず溜まってることがある。

スクリプトを用意する一問一答で全てまかなえるなら、それこそAIやbotの出番だけれど、それだけでは十全ではないからヒトと対話するセンターがあって、そしてそんな仕事は当然コールセンターだけではなく、ヒトと向き合う仕事はあらゆるところであるわけで、そこでは見えない小さいものが積もって、コミュニケーションの阻害要因になる。それは、オペレーションする側にとっても、お客様にとっても、ぜんぜん幸せじゃない事態なわけで、カスタマーサクセスとはほど遠い世界だ。

 

ご機嫌カウンターのようなシンプルなものならばともかく、言葉やアンケート、面談では、ヒトは、嘘をつく。嘘は決して故意の、嫌な気持ちから生まれるわけじゃなくて(そんな時もあるだろうけれど)、ヒトがヒトを思いやるが故のものだってたくさんある。

良いサービスを受けられなくてかなしい、お客様に声を荒げられてこわい、ミスをされて腹立たしい。いろんなそんな思いを、ヒトは、隠す。相手を慮り心配されないように、仕事だからと悟られないように、たくさんの理由でヒトはそれを『表現』しない。飲み込むこともある。意図していればともかく、意図せずに、自分でも気がつかずにそうすることもある。

それを、暴きたてるわけではないけれど、声色に滲み出たものに、ヒトが無意識に『表出』したものに、さりげなく気がついたり、助けたり、プラスαにすることができたら、世界は、ほんのすこしだけ、しあわせなんじゃないだろうか。それが、離職率の低下だったり、クレームのキャッチアップだったり、形を取る結果になるだけでも、だいぶん、それは、しあわせなんじゃないだろうか。

EQも、メンタルヘルスも、見えにくいけれど気がつくことができるもので、それを音声感情解析からアプローチしていくってとても興味深いし面白い。

喋る仕事の末端に関わる身としては、たいへんわくわくした時間を過ごして帰宅。

関係者のみなさま、ありがとうございました!