日々は去るもの過ぎるもの。

だから書き留めてみるのだ。

表現だけに惑わされずに、表出だって捉えたい。

VoiceWorld Z Meetup vol.4 こころの声・感情を 知って使って元気になろう! - connpass

IQというのもだいぶんメジャーな単語となったけれど、EQという言葉もかなり広まりつつある。Google社も採用しているというemotional quotient。心の知能指数だとか感情指数などと言われているが、いまやビジネスの成功にはIQが2割、EQが8割とまで言われることもあるらしい。

昨年、お世話になっている方の勧めもあって、EQI検査を受けたのだけれど、実際に自分の性格がわかりやすく細かく分析されて面白かった。面白かっただけではなく、コーチングのひとつとして受け止めることができた。

この検査は善し悪しではなく、あくまでも得手不得手に対する値なので、それぞれに対しての特性とそれを得手に変化させるための思考がセットで、なるほどこの分野や方法は不得手なことだなあと改めて意識することができたし、そのマインドセットをすること自体が、ある意味すでにコーチングとなっているように思う。

閑話休題

こんなふうに興味を持っていたEQの第一人者である高山先生のお話をはじめ、コールセンターという自分の職種に関係深い分野である音声解析、音声感情解析、かなり盛りだくさんの話が聞ける、

『VoiceWorld Z Meetup vol.4 こころの声・感情を 知って使って元気になろう!』

に本日は参加。前からこのコミュニティ気になっていたのだけれど、いままでなんだかんだ参加できなかったので初参加。満席御礼。すごい。

 

1つめの登壇は、株式会社EQの高山直さま。

高山先生のお話でとても納得できたのが、前述の、「ビジネスの成功にはIQが2割、EQが8割」という部分においても、それはIQが不要ということではなく、『EQはOSのようなもの』という部分。

EQはあくまでもヒトのベース。その上に、IQや、知識や、スキルや、経験などといったアプリケーションが乗る。だからEQがベースとして必要だし、そこで差も生まれるし、もちろんその上に乗るものでもそれぞれに差が生まれる。感情と頭脳って別軸でも交差軸でもなくて、レイヤーの違うもの。わかりやすい!

x EQ(くろすいーきゅー)という検査を実施されているので、興味のある方はぜひ検査をしてみてくださいね、とのこと。勉強会特典もあって、ハードルも高くなく試せるので、トライしてみたいひとはぜひこの機会に受けてみてほしい。一度(別なシステムだけど)受けた身としては、結構はっきり可視化される自分のタイプと得手不得手を定期的に意識する重要さが身にしみている次第!

 

次の登壇は、オー・エイ・エス株式会社の佐藤光章さま。

「デコールCC.CRM」など、コールセンターと縁深いシステムの提供をしている会社さん。

今回はヒト同士のコミュニケーションをいかに円滑にするか、そして円滑にするための可視化について。

ご機嫌カウンターという、感情や理解度を可視化するためのシステムをベースに、モチベーションを可視化し、離職率の低下につながるコミュニケーションや職場づくり、体制づくりにフィードバック。

あくまでも自己申告ベースではあるけれど、案外みんな素直に入力してくれるとのこと。これはアンケートと違ってワンクリックでほぼ完結するのも、素直に入力しやすいポイントかも。自分を飾らせるような言葉や選択肢で迷わせない。ただシンプルにいまの感情を聞く。

ご機嫌度合いは、悪いところだけをチェックするのではなく、ずーっと変化のない人、など、いくつかピックアップすべき傾向があり、危ないな、という傾向も見て声を掛けたりフォローアップをしていく。

ご機嫌だけではなく、研修の理解度チェックとしても利用でき、日別や時間、単元別に取ることで、モチベーション傾向やスキルの把握を行なったり、また、全体の理解度が低い部分は研修内容や研修時のトラブル有無などの確認をするなどフィードバックにも活用。

これは離職率に悩むコールセンターはもちろん、新卒採用時のフォローなどにも使えそう。また、実際にこのご機嫌度合いを分析するにあたって、退職してしまったひとの結果だけを抽出して分析すると、かなり傾向がわかりやすく出ていることも判明しているのこと。シンプルなだけに取り込みやすそうな技とシステム。

佐藤さまは個人的にもメンタルヘルスやEQに関心が高く、エモーショナルマップやトータルモチベーション指数など、さまざまな感情アプローチについても紹介があって、そのあたりに興味がある自分としてはかなり勉強させていただいた。まだまだ知識も浅くて不勉強な己を恥じ、キーワードをぽちぽちメモる。

 

3人目の登壇は、CENTRIC熊本支店『サービスサイエンスラボ(感情解析テストセンター)』の高尾嘉大さま。

音声感情の解析技術はかなり進んでいて、以前にもコールセンター向けのシステムで(たぶん、まさにCENTRICさまだったと気がするのだけれど、手元に資料が今はない…)、音声解析をしてテキスト化をすることで履歴入力を簡易化し、かつ、そのテキストと音声の解析から、クレームの可能性があると判断した対応にアラートを上げて管理者側に通知するというサービスを見たこともある。

CENTRICさまの解析サービスである、『deep  SEA』においても解析率はかなり良く、情報にマスクをかけた音声だけのファイル解析で立てた仮説は、実態と合致する割合が8割とかなり高い精度。

業務プロセスはもちろん、物事の可視化は非常に必要なステップだと思うのだけれど、それが音声感情解析というアプローチにより、業務面だけではなくて、ヒトの感情という見えざるものの可視化を可能にし、コミュニケーションやメンタルフォローといった、属人的になっていた部分の補完ができるというのは、かなり革新的なことではないかしら。

なお、その結果としてわかりやすいのは(売り込みやすいのは・笑)、やはり離職率の低下など。ここはコスト換算もしやすく、訴求力も高いところ。

コールセンターって、どんなにどんなにお客様が良い方ばかりでも、それでも、自分と違う価値観や物言いや表現の方々とじっくり向き合い、それを何時間も行うことで、目には見えない疲労と、見えないが故に理解されないという切なさと疲弊が、知らず知らず溜まってることがある。

スクリプトを用意する一問一答で全てまかなえるなら、それこそAIやbotの出番だけれど、それだけでは十全ではないからヒトと対話するセンターがあって、そしてそんな仕事は当然コールセンターだけではなく、ヒトと向き合う仕事はあらゆるところであるわけで、そこでは見えない小さいものが積もって、コミュニケーションの阻害要因になる。それは、オペレーションする側にとっても、お客様にとっても、ぜんぜん幸せじゃない事態なわけで、カスタマーサクセスとはほど遠い世界だ。

 

ご機嫌カウンターのようなシンプルなものならばともかく、言葉やアンケート、面談では、ヒトは、嘘をつく。嘘は決して故意の、嫌な気持ちから生まれるわけじゃなくて(そんな時もあるだろうけれど)、ヒトがヒトを思いやるが故のものだってたくさんある。

良いサービスを受けられなくてかなしい、お客様に声を荒げられてこわい、ミスをされて腹立たしい。いろんなそんな思いを、ヒトは、隠す。相手を慮り心配されないように、仕事だからと悟られないように、たくさんの理由でヒトはそれを『表現』しない。飲み込むこともある。意図していればともかく、意図せずに、自分でも気がつかずにそうすることもある。

それを、暴きたてるわけではないけれど、声色に滲み出たものに、ヒトが無意識に『表出』したものに、さりげなく気がついたり、助けたり、プラスαにすることができたら、世界は、ほんのすこしだけ、しあわせなんじゃないだろうか。それが、離職率の低下だったり、クレームのキャッチアップだったり、形を取る結果になるだけでも、だいぶん、それは、しあわせなんじゃないだろうか。

EQも、メンタルヘルスも、見えにくいけれど気がつくことができるもので、それを音声感情解析からアプローチしていくってとても興味深いし面白い。

喋る仕事の末端に関わる身としては、たいへんわくわくした時間を過ごして帰宅。

関係者のみなさま、ありがとうございました!

CSHACK #18へ行ってきた

【増枠】コミュニティ愛 〜企業とユーザーを結ぶエバンジェリストたち〜 CS HACK #18 - connpass

 

CSHACKという、CSに狂っている男と呼ばれる日本唯一のCSエバンジェリスト藤本氏が主催するイベントに参加してきました。

 

今回のテーマは

『コミュニティ愛 〜企業とユーザーを結ぶエバンジェリストたち〜 』。

エバンジェリスト、ってずいぶん耳にするようになりましたね。いろいろあって、コミュニティだけではなく、エバンジェリストという部分にも関心深く参加してきました。

 

1人目の登壇はPPUG(PayPal User Group)というコミュニティを運営される、PayPalの岡村さん。

PPUGに行ってきた。 - こぼれたミルクを嘆くなら

スタート時に参加した記憶……。PayPalってどんなサービスか知りたい方は、よろしければ上記のPPUG 1回目の記録もどうぞ。

コミュニティの自走化、地方へのアプローチ、コミュニティマーケティングの実情について、コミュニティの立ち上げから現在までを伺いました。 初回に参加した身としては、あの回を振り返ると参加者の温度や状態がわかるだけに、改めてリアリティ伴うお話が聞けたように思います。

残念ながらマーケティング主体であり、CS主体で始めた活動ではないので、CSへの直接的な貢献度や影響についても大きな結果という形にはなっていないそうですが、副次的な効果としてCSが含まれている、という話でした。また、コミュニティそのものがCSや製品、サービスへのヒントをくれることも多いということなので、CSとコミュニティをきちんと繋ぐところができるとまた面白いのだろうなと思います。この繋ぐ部分が『マーケティング』なのかもしれませんが、それだけで事足りるのかは、またそれぞれのコミュニティの課題なのかもしれません。

かなり体系、理論だったコミュニティマーケティングの話をしっかり聞くことができ、かなり面白いセッションでした。

 

2人目の登壇は、twilioの高橋さん。

twilio は電話API、webRTCを使って簡単なコードを書くだけで電話を使うことができるサービスです。

あくまでも自社の立ち位置と、個人の主観ですと銘打った上で、テクニカルエバンジェリストという立場についてのお話。

要求されるスキルセットとして、

  • 技術力
  • コミュニケーション力
  • 愛され力

が大事だという高橋さん。高橋さんご自身がかなりの愛されキャラに見えます。資質なのか後天的なスキルセットなのか、気になるところです。

印象的だったのは、

『なぜ、エバンジェリストになったのか』

という問いに対して、

『twilioへの愛があるから』という答え。実際に手を動かし、twilioを使い、プロダクトを作り、ハッカソンに出て、そしてとうとうtwilioチームにjoin.

テーマどおり、『愛』とコミュニティが直結のエバンジェリストなんだなあとちょっとしみじみしました。

また、そこから実際にコミュニティ運営が『内輪』にならずに流動的にするための動き方など、おそらくどのコミュニティでも悩むであろう課題への取り組みについても聞くことが出来、個人的に聞きたかったことがかなり満たされたセッションでした。

また、話が滑らかで、具体的。これぞエバンジェリストの『見せる』技だなと感動。きっちり伝えたいことが言語化されたトークでした。

 

3人目の登壇は SkyWay team の仲さん。

コミュニティマネージャーとしての立場から、開発者コミュニティの立ち上げについての話を伺いました。

SkyWay というサービスも、twilioと同様に、webRTCを使った音声や動画活用のサービス。

『リアルタイムコミュニケーションを身近な技術に変えて、世界中のソフトウェアエンジニアと一緒に世の中を革新する』というビジョンで活動されています。

コミュニティ、コミュニティマーケティングというと必ず出てくるお名前に、元AWSの小島さんがいらっしゃるのですが、仲さんも小島さんのセッションにとても感銘を受けられたとのこと。

コミュニティ運営の中で重要視されるポイントはいくつかありますが、

『価値を提供し続けること』

という点が個人的にはとても重要だなと感じました。高橋さんの話にもありましたが、

『内輪にならないこと、流動的な場でいられること』

ってとても難しいと思うのです。

イベントごとに動かす、かき混ぜる、あるいは人と人を繋ぐ、サービスを繋ぐ、いずれにせよ、主体となる方ご自身が常に流動的に動かなければならず、いくらユーザー主体のコミュニティといっても、常に変化ある適切な距離を測りつづけなくてはならない、それは『愛』というか『信念』というのか……常に自分が『NEW』でいることが、他の立場以上に求められるのではないかな、と思った次第。

 

さて、3人の方の話を聞き、そもそものCS、というところに戻って考えると、CSに今求められているものは、『スピード』では無いのか、とふと思いつきました。

もちろんスピードそのものは、どんな立場であっても必要ではあるけれど、ユーザーとコミュニティとマーケティング、それらを繋いで動かすためには、CSはさらにスピードをもってやっていかないと、ユーザーと距離が開くばかりな気がします。

学ぶことであっても、動くことであっても、スピードを今以上に意識しないといけないのかなあ、なんてぼんやり思った一夜でした。

今回のCSHACKもかなり面白かったです。藤本さん、ありがとうございました!

 

 

 

初めてのアイディアソン。

opda.connpass.com

先日知り合った方が面白そうなイベントを紹介してくれたので、ちょっと勇気を出して参加。

非エンジニアの自分にとって、ハッカソン、アイディアソン、むにゃむにゃソン……はちょっとハードルが、高い。

でも IchigoJam 触ってみたいなー。さくらの IoT も触ってみたいなー。jig.jp の方が来るとか、面白そうだなー……。

が。勇気を出してぽちっとしたわりに、お仕事の都合で遅れてしまったので、IchigoJam とさくらのIoTには触れませんでした。がくり。今度自分で買ってみます。

ichigojam.net

 

わたし自身はなにぶん、0 からモノを発想したり、つくったりすることが苦手。だれかのために、世の中のためにというところに至る発想力に乏しいので、やや気後れしつつ、アイディアソン&ワークショップから参加しました。

ところが同卓の方々がとてもいい方ばかりで、すっごく楽しかった!!

今回テーマは、「ストレスの解消」

まず、ストレスキング(笑)を決めるため、めいめいが自己紹介を兼ねて、最近ストレスを感じていることを話します。そのうえで、キングを選び、その解消に対するIoT、あるいはオープンデータ活用を考えるという時間。

セクハラ、通勤ラッシュ、競合他社との関係による業務制限、行政対応のスピードの遅さ、コミュニケーションの価値観差や、地元差別のような周りからの視線への遠慮によるストレス……数人のなかでもいろいろな視点や意見があり、ただの自己紹介よりも、もっとそのひとを知れたような気持ちになりました。ストレスや怒りの沸点を知るのって、そのひとの価値観や、普段の考え方やふるまいの一端に触れるようなものですね。自己紹介が、視点を広げるきっかけになり、振り返りの場にもなりました。

どうやらこのメンバーのなかでは、「コミュニケーション」がキーワードのようだということで、「ストレスが相手に伝わらないストレス」を解消したいということに。

自分はこの「解消」を、「どうしたら相手に伝わるか」と考えていたのですが、

「方法は 2 つありますよね。当初の目的を果たす=相手にストレスだと伝わる、という解決をするか、あるいは、そちらはあきらめて、自分の溜めたストレスをすっきりさせる、という方法」

という同席の方からの指摘が。確かに! これこれ、こういう分岐を考えてフロー図にして、結論を絞っていく視点、めちゃくちゃ自分に欠けてる視点!!

たとえばともだちだって、長年の付き合いから、同じ指摘をしてくれることがあるかもしれないけれど、出会って数分の相手と、お酒を飲みながら既知の関係みたいな雰囲気でどんどん本質的な話をしていくの、めちゃくちゃおもしろい。チームを組んで目的に対して短時間でアイディアを出し合うって、こういうことなのか! うっわあ面白い……!

結果、生まれたアイディアは、「ストレス判定めがね」。

某漫画のスカウターのイメージで、音声認識でハラスメント台詞を取得してデータとして積み上げて、そしてたとえば過去の報道事例や、発言小町、知恵袋などの一般データなどもあわせたりして、

「ちょっとアウト」「セーフかも」

などと、一般的に考えられるストレス度合いを表現してくれるめがね。

(個人的には、あとから、これって血圧とか心拍測定とかもストレス判定データのひとつにできるんじゃ、とも思った)

いっそ、「一般的にはセクハラでは~~?」と思ったときに、ぴかーっとフレームが光って相手に伝わればいい! ピ、カーッ!

 

ところでこのアイディアソンには、株式会社 jig.jp の代表 福野さんが講師としていらしていまして。

jig.jp

福野さんが審査や講評を行ったのですが、コメントが素晴らしく面白い。頭の良さというのか、普段から世界に愛を持って(関心、じゃないと思う。愛だと思う…… LOVE & PEACE!)、いろんなアンテナを立てているからこそ、多くのひとにわかりやすいイメージをもたせたり、例をあげたり、そして膨らませたり。より具体的に、より 世界に寄せていくコメント。この方の講評を聞けただけでも、遅れたからと諦めずに参加した甲斐がありました。

「めがねが光ったらいいかなと」

「あれですね、フレーム横に旗とかつけて、ぴょこっとレッドカード! とか振られたりとか、あ、めだまのおやじみたいな感じで、ジャッジされるといいですねー」

 めだまのおやじ!! 付けたい! フレームの横に座らせて、一定量以上のハラスメント台詞を聞いたら、

「コラ! 鬼太郎!!」

って言ってほしい……!!!

(ところで、全く関係のない余談ですが、むかし某地方ラジオに目玉のおやじの声優さんが出演されたことがあり、
「目玉のおやじの足を持って逆さまから割くと、目玉はどうなるんですか? 半分に割かれるんですか?」
というリスナーからの問いに、
「割けない、目玉で止まる。わしの目玉はカチカチなんじゃ!」
という名言を残されたことがあり、目玉のおやじと言えばわたしにとって、この名台詞なのでした)

閑話休題

ほかのグループのアイディアはこんな感じでした。

  • 通勤ラッシュ解消、座りたいあなたに、「もうすぐ降りるわたし」と「座りたいわたし」のマッチングサービス。位置情報とアプリやボタンを組み合わせることで実現させ、なおかつその情報をオープンデータ化することで、交通状況や運行にも役立てることができる
  • 忘れ物防止、鞄などにセンサーなどをつけ、お財布などの一定の形の必須物が検知できないときはアラームが鳴ったり、家の扉が開けられなくなり、忘れ物をしないようにできる
  • 家庭内の消耗品検知&自動購入サービス。たとえばシャンプーなどの消耗品を、重さや嵩で測り、一定量以下になるとAmazon ダッシュボタン等と連動して自動購入、消耗品が切れてしまうストレスからさよなら!(AmazonGo の家庭内サービス版のようですね。便利…)データも、一般的な消費量などの計測ができ、たとえばこどもが悪戯で使いすぎたらアラームが鳴るといった展開も可能に
  • 集客に困るあなたに、参加ボタン。参加登録って案外面倒で、手間もかかったりするので、あとからやろうになりがち。そこでボタンひとつで参加意思の登録が可能な参加ダッシュボタン
  • 座り続けることがつらくてストレスなあなたに。からだにフィットしていない場合に通知したり、身体がむずむずして集中力が散漫になってくると通知される仕組み、あるいは血行をよくするような刺激を与えるクッション。

しみじみ、十人十色、百人いれば百通りのストレスと解決法があり、価値観があり……なんていうか、ひとってたくさんいるよな、って当たり前のことを、改めて感じました。

主催の方が最後に、みんなでなにかをやりたい、チームでやりたい、って言ったとき、なんだかちょっと見えた気がしました。

オープンデータって、そのデータの蓄積のなかにたくさんの『人』がいて、「ものごと」があって、そこから何かが見いだせるもので、それ自体が、「だれかと」「いっしょに」在る、ということになる。それをさらにいろんな人の手で、いろんなかたちにして、誰かに届けることができる。世界を広げることができる。

誰かが、どこかで、何かをしたこと、感じたこと、そういうものがオープンデータとして積み上げられ、またそこから誰かのために働いたり、きっかけになったり、ステップになったりする。見えない誰かと、見えないところでラインができて、繋がる。

遅れてしまったので初めを少し聴き逃してしまったのですが、LTで、データ化していくためには、「語彙を共通にする」ことが必要だと言う話がありました。

多種多様なひとたちの使うフィールド名、プログラムの構成、言語。それらをひとつひとつ「共通の語彙」に変えていくことで、データが万人共通の展開ができるようになるというのは、つまりある種の翻訳作業ですよね。データって、つまりは、世界中で語ることの出来る共通言語。

※その際に参照を勧められたサイトはこちら。

 IMI 情報共有基盤

わいわいと賑やかな場を見ながら、主催の方は、人間が好きなんだなあと思いました。そして、久しぶりに、IT と言うものに対して初心に戻った気がしました。

IT は、世界を広げることができるんだった、そうだった。IT は、誰かに LOVE & PEACE を伝えることができるんだった。わたしにも、あなたにも、いろんなものを見せてくれるものだった。そんなことを思い出しました。忘れてたかも、ここ最近。

わいわいがやがや、お酒を片手に打ち解けた雰囲気で、居酒屋STYLE のアイディアソンは想像よりもずっと楽しかったです。

jig.jp の福野さんの当日のBlogはこちら。

 

fukuno.jig.jp

「ストレス判定めがね」は、優秀賞をいただいて、メンバーには、ウェアラブルならぬ「イータブルめがね」こと、「眼鏡堅麺麭(めがね堅パン)」が配られました。わーい!


echizen-yumekobo.com

これ、以前どこかの記事で拝見して、めがねスキーとしては気になってたんですよね。わーいわーい! うれしい! 鯖江行きたい! めがねの街!

ところで今回、新宿区議会議員の方もいらしておりました。

itoyohei.com

新宿区、オープンデータに力を入れているって、知ってました? わたしはつい先日まで知らなかった……。区議の方も熱心に IT に取り組んでいる姿を実際に見ることができて、なんていうか、政治がちょっと身近になりました。綺麗事じゃなくて、ほんと、「あ、隣に政治家の方が居て、一緒に一つのことに取り組んでいる」って、自分の目で実際に見ると、なんかちょっと自分の中のなかで変わるものがあるなって思いました。こどもみたいな感想ですけど、一緒にご飯食べたり、一緒に何かをするのって、人間関係では結構大事なわけで、政治っていう漠然とした世界が自分事になる瞬間って、生活の中のちょっとしたことだよなと思います。

何かを得たとか学んだとかそういうことも大切だけれど、このアイディアソンは、「ITって楽しいよね」っていう再確認をして、乾いてたところに水やりをした気持ちになりました。楽しかったー!

 

ぽちった。

www.visavis.jp

昔お世話になった人に、誕生日にリクエストされていたのに、完売してしまっていたドロイドくん。

最近在庫が入った! と本人がお知らせしてきたので、3年前のお誕生日祝いとしてポチりました。可愛い。自分でも欲しい(笑)

 

PPUGに行ってきた。

 

ppug.connpass.com

PayPal、実はお恥ずかしながら、一度も使ったことがなく……。
ウェブシステムに微妙にかかわったり、CMS 絡みの話をすることがあるので、ショップ系の運用に便利そうだし知っておこうかなという気持ちはあったものの、何がどう便利なのかピンと来ていなかったのです。

今回 PayPal UserGroup が発足したと声をかけてもらい、初心者向けだというので、第 1 回 MeetUp へ行ってきました。

これが言葉通り「初心者向け」で、わかりやすくて面白かった!

初めて登録するひとに向けた情報が多く発信されていて、サービスの説明を懇切丁寧にしてくれた MeetUp でした。

当日の資料はこちら。

ppug.connpass.com


主催の新井さんの『paypalとの出会い』は、とあるハッカソンとのこと。
彼女は、普段は行政書士として知財絡みの勉強やスタートアップ支援なども行われており、アイディアソンやハッカソンにも頻繁に参加しているアクティヴ女子。

現在お仕事の中では、外国人在住者のビザ申請などに対応することもあり、海外送金の費用負担が大きいし、時間もかかるという悩みからPayPalに辿り着いてトライ中だそうです。

PPUG でのルールはシンプル。

    • 他人のことを感情で否定しない
    • 一方的な話じゃなくて議論や相互の共有にしたい、フラットにやりとりしたい
    • 空気と時間を読んで、名刺交換はほどほどに……w

※詳細は資料をどうぞ!

月1回位を想定されているそうで、地方でもやりたいと積極的なUG。キャラクタ名も募集中だそうで、できたてほやほや感がありました。

すでに 5月17日 に第 2 回が予定されています。ペース早い!

 

というわけでPPUG、1 人めの登壇者は @kumajoi さん。

『今さら聞けないPayPal

このセッション、PayPal 未登録で初心者まるだしのわたしには、まさにどんぴしゃ。知りたいポイントがとてもわかりやすくて良かった! まさにユーザーグループいっぱつめにはふさわしい話でした。

PayPalってなに?」ということを、概要から利用のメリットから登録方法まできちんと抑えてくださったので、これは新しい参加者が増えたら定期的に話してもらえたらいいのに……! と個人的には思った次第。 

 

さて、PayPalは、メールアドレスを利用したオンライングローバル決済サービスで、メールアドレスが口座番号になるようなイメージ。

このサービスのすごいところは、20以上の通貨に対応しているという点で、グローバルなサービスを考えたときに大きな手間となる、異国間の支払いの悩みを解消してくれるすごいヤツなわけです。

日本でのPayPalサービスとしては、

  • アカウントでの個人間送金
  • カードリーダーによる決済

については残念ながら未対応とのことでしたが、法律なども多々絡むので、全世界で同等のサービス提供というわけにはいかないという理由に納得。

1998年創業のデジタルウォレットで、1.97億人のアクティブユーザー(1年に1回は利用しているユーザー)がいる人気サービス。カード番号も不要。

個人的にびっくりしたのは、買い手保護の制度、売り手保護の制度があり仲介に入ってくれる問題解決センターがあるというところ。支払ったのにモノが来ない! というトラブルについてある程度の仲介保証があるのだそうで。これ、相当の工数がかかるところだと思うので、そこにきちんと介在してくれるという安心感はすごい。特に、異国間のトラブルには言語問題もつきものなので、ある程度保証があるのは、まったくないよりも断然ほっとします。

(しかし、どのくらいの裁量があるんだろう……?)

※なお、物理的なモノではなくデジタルコンテンツの場合には、買い手保護はあるが売り手保護はほぼ無いということですが、事例によるのでまずはサポートへ相談、とのこと。

ここから、気になる手数料の状況や、アカウントの作り方の説明が。こういうところを聞きたかった! とばかりに、わたし以外の方たちもかなりメモを取っていたように思います。

  1. パーソナルアカウント
  2. プレミアアカウント
  3. ビジネスアカウント

アカウントには上記の 3つがあり、基本的には支払いをしたいというだけであれば、パーソナルアカウントで十分だそうです。ショップ運営など、支払われたものを受け取るときにプレミアアカウントなどが必要になりますが、何れも本人確認が必要で、確認の書面(はがき)が送付されます。 

ショップと言ってもプログラムはできないし、運営できないという方でも安心な、メールで請求書送信をする方法から、あるいは決済ボタンを作成するソース提供もあり、定期的な支払い、重量課金や複数人へのまとめて支払いも可能。API不要で手軽に使える決済サービスという、導入ハードルは低めなところから、きちんとプログラムを組んでAPI連携をさせる方法など、多種多様な導入方法が用意されているところに安心感があります。

ウェブはいまや、CMS、Jimdo、Wixなど、個人でも手軽に作成が可能ですが、ウェブ運営のポイントはやはり保守、維持、そして決済系のシステム連携。そこにじゅうぶんなサポートがあるサービスが身近にあることを正しく知れただけでも、収穫多い集いでした。

もちろん、PayPal以外にも便利な決済サービスは多数ありますし、登壇者の方も、

「手数料は最安ではないけれど、チャージバックや入金から口座引き出しのリードタイムを考えて選択すればいい。APIの知識がなくてもhtmlタグの簡単な知識で使えるし、それぞれのメリットデメリットを選択できればいいのではないか」と仰っていましたが、それにしても長年に渡ってのナレッジが積み重ねられているサービスだなあということをとても感じました。

 

質疑応答のなかでは、サポートの対応言語(日本語対応の電話サポートもある!)、一方的な送金などは法律上の問題で出来ないので、何らかの物品は伴う必要があることや、国際間の場合には為替変換+受取手数料がかかることなど、より実際の利用に即したやりとりも。

日本はカードのみ(デビッドカードOK)ですが、国によっては口座との紐づけも可能。SNS連携などのAuthはできないけれど、PayPal ペイパルのログインAuthは可能など、PayPal初心者には充実した「はじめてのPayPal」情報が盛り沢山でした。

 

『dotstudioでのペイパル活用よもやま話』

2人めの登壇はのびすけさん。お見かけしたことのあるお名前だと思ったら、先日自分のfacebookタイムラインを賑わせていた、養老乃瀧ハッカソンの主催の方でした。


IoTまわりをやっている会社に勤務されており、決済周りの経験値が上がっているそうです。

hackathonpost.com

ここで面白いデータの話が出ました。

過去に行われた有償のITイベントで、集客の試行錯誤をしていたなか、connpassでの決済メニューとして、LINEPay と PayPal を用意されたそうです。

その際に、PayPal は、LINEPay よりも 500 円多い金額に設定したにもかかわらず、決済者の選択は PayPal のほうが多かったという結果が!

もちろんどちらが良い・悪いではなく、ただ、エンジニアは PayPal ユーザーが多いのではないかというひとつの推論は浮かんできます。LINE ユーザーでなければまずは LINE 登録が必要になる手間などを考えると、エンジニア対象のイベント主催者は、PayPal アカウントを持っていたほうがより良いのではないかという話でした。

確かに、一定以上の年齢層のエンジニアの場合、LINE アカウントと PayPal であれば、インターネットの歴史的な意味でも、PayPal アカウントのほうが所持率は高いかもしれませんね。

ところで、手続きのひとつである、「アカウント認証のはがき」受け取り。

集客や販売システムの構築を超えて、もっともの難関はむしろ、このはがきの受け取りにあったそうです。思わぬ落とし穴。エンジニアあるあるのようですが、就業時間が不規則だったりなんだりでの、「不在票だけが溜まっていく」事象により、認証までに半月以上経過したそうで……。おおう、自分も不在がちなので、よくわかります……。

ここでも言われていたのが、海外向けの販売などにあたって、初めて取引する国との交渉の不安と、そこに、決済に PayPal が入ることにより、仲介があるという安心感が強くなる、そのくらい世界中で共通認識率の高い決済システムであるということ。

また、企業にはつきものの、経理作業でも活躍したそうで、のびすけさんの会社では「MFクラウド会計」というサービスを利用されているのですが、

biz.moneyforward.com

この「MFクラウド会計」ではPayPal 連携があるというのもポイントになったとのこと。

ものを売るとき、ちょっと大変なのは、売上金の所在がばらついてしまう点だそうです。例えば、イベント参加費ひとつをとっても、現金、PayPal、LINEPay、SQUARE、口座振替、クレジットカード決済などなど……。特に、展示系物販では、カード決済はOKだけど現金はNGというルールがある場合も。でも、会計サービスと連携していてくれれば、自動的に仕分けまで行われるというお手軽さ。これは、多くの決済システムで販売層を広げたい、けれど経理面の手間が……という中小企業や個人商店などにもいいお知らせだなあ……。金銭管理の苦手な自分には、とても響いたポイントでした。

また、実際に購入者から、「商品が届かない」と言われた時の事例紹介も。

実際には商品が届いていないのに支払わなくてはいけない、あるいは遅れて到着したのに、予定日に来なかったと支払われないままということがないように運用されている実例の一端を実際に聞けたのも良かったです。


『STORES.jpへのペイパル導入』

最後は、STORE.JP のかつまたさん。

STORES.jp|オシャレなネットショップを最短2分で無料作成

STORE.JP ってカード決済ができるのに、何故ここで PayPal について語るのかなーと思っていたのですが、非常に大きなメリットを知ることがでました。

「いままで STORE.JPでは、JCBカードが使えなかった。けれど、PayPal 対応を行うと、PayPal 経由で、実質JCBカードでの決済も可能になる」

なるほどー!

クレジットカードの対応幅が広がるというのは、ユーザー層を広げることにもなるし、特定のカード会社ごと対応していくという形ではなく、PayPal を挟むことで、ひとつではなくて多様な決済対応ができ、かつ、今の不便さも解消できる……ユーザビリティの向上がひと手間で大きく変わるという効率の良さ。目から鱗でした。

導入にあたっては、事前に十分なPayPal社との打ち合わせを経て、ドキュメントをとにかく読み込んだそうです。サンプルの仕様書ももらえたということで、かなりドキュメント類に頼ったということでした。

PayPalAPIは、三種類あります。

  1. ClassicAPI(NVP)(インターネット上に情報が多い)
  2. RESTAPI      (Qiitaに少し情報がある程度)
  3. braintree     (日本の情報が少ない)

実装面になると、開発さっぱりの自分にはやや難易度の高い話で、メモはだいぶんとったものの、資料を直接見ていただくのが確実な情報かなと思います。

注意点もいくつかあり、実装の際には、curl コマンドでリクエストとレスポンスの確認が必要ですが、リクエストフィールドごとに制限があるので、ドキュメントは必読ということでした。もちろんドキュメントは英語で、ここがやはり難関だったとか。

いくら英語自体はスムーズに読めたとしても、いろいろな解釈ができる部分もあり、ネイティブではない言語のドキュメントをもとにすることの大変さを実感したそうです。
決済時のトークンの話や、PayPal 社から提供されるサンドボックス環境があるという話(サンドボックス環境はがんがん利用したほうがよいと推奨されていました)、それからエラー表示の話など、初めて連携システムを組もうとしている方には、たぶんかなり貴重な情報が盛りだくさんだったように思います。

例えば、10486エラーというのは、「決済者がカードが何らかの理由で決済不能だった場合」に多く出ます。
このエラーの場合、PayPal のシステムで再び決済情報を表示した場合に、決済ができなかった理由を表示して再決済するようにできます。

また、そのほかの注意点として、アメリカ決済の場合は、購入者の住所に制限が課されているので、アメリカを販売(決済)対象として想定している場合は対応が必要だそうです。
※たとえば、州の名前が略称じゃないと登録できない、など。

商品名称や商品自体が理由で決済保留になったりするそうで、海外文化や海外の歴史事情にも配慮しなければスムーズにいかない事例など、国外への決済サービスを考えるにあたって、すぐに思いつかないようなケースも紹介されました。

質疑応答の中では、「サンドボックスと実環境で違うところがあったかどうか」という声も。

回答としては、「おそらくエンドポイントのURLくらいしか変わらないと思うが、サンドボックス用のアカウントをディベロッパ用の画面でつくらないといけないので、注意が必要。一通りドキュメントをちゃんと読みこんだほうがよい」というアドバイス

この点は後程の LT でも話題に上がったので、すぐ手を動かして実装に入りたい派にはよく引っかかるポイントなのかもしれません。

また、「開発中と運用での想定に差があったか?」という質問が上がりましたが、差はなかったものの、仕様ミスがあり、『値引きクーポンの扱いをするにあたり、フィールドの扱いが不明だったため、配送料のフィールドで値引きを入れたりしていたところ、その部分などでトラブルがあった』そうです。
実際には、『商品の中に値引きアイテムを入れて、商品を追加するようなイメージ』で扱うべきだとのいうことでした。

ハマったポイントは、「ドキュメントを読む時間」、日本語のマニュアルにはやや情報が古いものもあり、正誤判断に時間がかかったとのこと。

テストアカウントでエラーの再現をさせたりすることは可能で、決済保留などは管理画面を見ているしかない(何らかのアラートなどはキャッチが難しい様子)、など、実際の実装にあたっての懸念に次々答えてくれました。

ちなみに、STORE.JPでは、PayPal のアカウントはあくまでも STORE.JP が持っており、そこから出展者へ振り込んでいるので、出展者が個々で PayPal アカウントを持つ必要はないため、PayPal 導入にハードルを感じる方でも気軽に決済方式として採用できそうです。

自分でも驚くほど長いレポートになりましたが、初心者向けに必須の情報が盛りだくさん、惜しみなく公開されたので、非常に面白い会でした!

このあとはビアバッシュと LT 登壇(LT資料も公開されています)。

ハッカソン優勝者の方、鯖江市めがね米などを扱っている方や、WordBenchの主催者さん、Pixiv のエンジニアさん、初めて日本上陸した某外資系企業の女性など、IT界隈でもウェブやシステムなどひとつの業界や業種、職種には偏らない会でした。

次回は 5 月 17 日!

ppug.connpass.com

実装・運用編だそうです。エンジニア対象だけではなく、CMS連携など、非エンジニア対象の会も検討されているそうなので、システムやプログラムに明るくない方でも、テーマによっては気軽に参加できそう。また行ってみようと思います。

 

ファシリテーターズ・インタビュー Vol.09

2016/01/26

今回は、関満徳さんと神戸和佳子さんの、ファシリテーターズ・インタビュー

まずは今回も、速記的にメモをした、対談そのままのまとめを。
録音の書き起こしではないので、発言者の混同や、あるいは会話の補足部分において、何らかの認識の齟齬があった場合には、文責はわたし個人にあることを書き添えておきたい。

—–

(遅刻して入室。おそらく関さんのファシリテーション術について、「非ITの神戸さんに、難しいIT用語を使わずに説明する」という制約があるようです)

神戸さん:
テーマをあげて……それで結果が出なかったようなことはないんですか?
たとえば、この、関さんが設定された穴の、途中途中で落ちていくというか。
そういうときはどうするんですか?

関さん:
5分とか、そういう、時間時間で……タイムセクションを、区切りをつけてあげて。

神戸さん:
スモールステップをつくってあげるというのは、良いファシリテーションですね、ということを。

関さん:
うん、そうですね、参加者が体験できるようにする、という。

神戸さん:
(大きな壁のあるケースのイラストをさしながら)
簡単には超えられない壁があるときには、たとえばそれを避けるとか、少しずつ崩してから行きましょうということを教えるわけですよね、なるほど……。
こことか、ここ(ひとつずつのステップの到着地それぞれを順にさして)次々、次の到着地が決まっていくわけですよね。
それって、どんなメンバーにもどんな状況でも、きちんと嵌まるファシリテーションって、あるんですか?

関さん:
(困った顔で笑って)
無いと思います。
そんなメンバーでも、どんな状況でもっていうのは無いから……だから全体を細かく見ていって、ファシリテーターの負荷ってだからすごく高い。
テーブルを分けてグループを創って、それぞれのグループを見て……(聴取者の法を見ながら)喧嘩しだすテーブルっていうのもあるんですよ、ね(笑)

神戸さん:
(笑)

関さん:
例えばですけど、ゲスい話をすると、学生さんと、自腹きって来た社会人を一緒のテーブルにすると高い確率で喧嘩になる。会社のお金出来たモチベーションの低いひとと、自腹で来たモチベーションの高いひとと一緒にすると、激論が起こったり殴り合いが始まるんですよ(笑)
ね、(聴衆者を見ながら)本人がいるんで、その状況とてもわかりやすいと思うんですけど(笑)
だから自分で開催するとき、ファシリテーターをするときに、あらかじめそこを考えておいて、心構えというか、しておかないと、穴に嵌る可能性は高い。

神戸さん:
たとえばですけど、10人とか20人? とかがいて。

関さん:
うん、60人とかですね、私がやってるのは。

神戸さん:
その60人はみんな、(障害や落とし穴のある、スタートとゴールのイラストをさして)ジャンプ力が違うわけですよね。ゴールまで飛べる……1人のひとは3回に分けて飛んで、辿り着くかもしれないし、1人のひとは、1回で飛ぶかもしれないし。

そうすると、このスモールステップの数って、(ひとの数だけあって)無限になってしまうかもしれないんですけど。
それを、どうやって、おなじゴールに辿り着かせていくかっていうところが知りたいんですけれども。

関さん:
はい。
えっと、わたしがワークショップをデザインするときに、分け方にしている方法があって。
まず2つあって、思考の発散と、思考の収束という、何かを出したりまとめたりっていう、それぞれの行為をする時間、タイムボックスをつくって。

神戸さん:
その、思考の発散と、思考の収束の具体例をください(笑)

関さん:
たとえば、ひとつの言葉から思いつく言葉をたくさん出してくださいとか、バット出していくのが発散、こどもむけのワークショップとかでやりますよね、
それで、今度はそれグループわけしてくださいとか、まとめてくださいとか、いくつかあるなかから、選んでくださいとかが収束。

神戸さん:
それをそれぞれいっぺんに行うのは大変なので、それぞれ分けて行うと、そういうことですね。そうすると、時間内に、スモールステップを進んで、まとまる……。
他には有りますか?

関さん:
自分が体験したりとか、過去の経験とかからぽんぽん出てくるようなものと、そうではないもの、あの、ぐぐったりしないとわからないような、そういうものではなくて。
それを分けて。

神戸さん:
普段から自分で考えていることとかで、すぐぱっと出てくることと、普段ぜんぜん考えていなくて、出てこないものとかは、分けていくんですね。

関さん:
他にもあるんですけど、まず発散と収束で分けて、そういうふうにアウトプットを分けていくとすると、それを出すために今度はおおきいものを削ぎ落として、逆に選択肢を出していったり、たとえば9つ一気に書かないといけないとかグループのなかでたくさん出してもらってまとめたりとか。

神戸さん:
ゴールに向かうまでに一直線でいいとき、調整しながら進まないといけないときで、ワークを分ける?

関さん:
シンプルに単線的な場合と、やっぱり複数のときとは(分ける)。

神戸さん:
そもそも、どうして、そういうことを人々に伝えるというか、実践しようと思ったんですか? なにかきっかけとかはありますか?

関さん:
もともとITに入ったのが、ひとの役に立つものを世に出したい、自分で作りたいと思って。それで、プログラムを書いてつくっていって、でも、プログラムを書いていただけでは、世の中は変えられないので、それでいま、方法とか、考え方、思考の仕方とかをやってる。

神戸さん:
プログラマさんの、お仕事の考え方がよくわからないんですけど、お客様から、つくってー、といわれて、はい、できましたという仕事、っていうふうに考えていていいですか?

関さん:
そうですね。

神戸さん:
そうすると、うまくつくったり、早く作れるということはあるかもしれないけれど、そのお客様のためにはなったかもしれないけれど、その先々に……世の中の何になったのかという実感がない……?(という感じでしょうか)

関さん:
そう。

神戸さん:
うん(頷いて、)で、

関さん:
で?(ちょっと困ったふうに笑いながら)

神戸さん:
その次のステップというのは、どういう感じですか?

関さん:
(うーんという顔で笑う)
非IT向けに。

神戸さん:
非IT向けに(笑)
わたしが(関さんに)インタビューをやるというのはこういうことですよー(聴衆席の高柳さんに向かって)
わたしの責任じゃないですよ。ね、高柳さーん(笑)

高柳さん:
大丈夫です、いいです、最高です!(笑)
普段はなすことばで話すと、わかったようでわかってなかったりするからね。
得意ですからね、IT業界、そういうの(笑)
わかったと言ったものがわかってなかったり、わからないままだけどわかった気にさせる(笑)

聴衆:
(笑)

神戸さん:
それで、つくったものに疑問を抱かれて、それで、次に?

関さん:
えーっと、距離感の話をします。
(ホワイトボードにひとのイラストを描く)
つくりたいひと(青)と…。つくれるひとね(黒)。
パワーバランスの話をするとすると、こう……

1. 作りたいひと————-作れるひと。
  で、こういうの創ってー、といって、できたよー、と……。

まあこれはほんとに、丸投げだと思うのですけど、この二人でやってうまくいくことって実はあんまりなくて。
ここに(作りたいひとと作れるひとの真ん中に、もう1人描く)もう1人登場人物がいるんですね。
どうやったら実現できるか、仕組みを考えるひとが(いる)

で、ちょっと話が変わっていって、(ホワイトボードに続きで)
2. 作れるひとに、作りたいひとが話す言葉を持っていなかったときって、こんなことやりたいなーって、……そうしたら、こう作ればいいよって。

  作りたいひと——–真ん中のひと——–作れるひと
  で、こんなことやりたーい、といって……そしたらこう作ればいいよ、とこう、(伝えて)、できたよーとなる。

3. そもそも、何やればいいかわからないっていうひとがいたときに、何かこう、もやっとしているおのがあって、

神戸さん:
何か不便なんだよねーとか

関さん:
そうそう、そしたらこの(真ん中をさして)おせっかいモードのひとが、パワーモードのひとがね居たとして、そのひとが一緒に、何創ったらいいかを考えてあげる。それで、作ってーってこう(右に矢印を引いて)できたよーとなる。

ITの世界でいうと、iPhoneアプリとかAndroidアプリとか、こう、たとえば主婦が家計簿アプリ作りたいッて思って、(1を指す)こんなのつくってー、できたよーって配信する、
それか、(2をさして)主婦のひとが扱いたいものってこういうものだなって思、どんなふうにしたらいいかわかんないっていうときに、じゃあ、こういうデータを入れていくといいよねってことを(真ん中のひとが)言って、できたよと。

でも、3.は主婦が何に困っているのかもそもそもわからない、
で(真ん中をさして)そうしたら、駅で主婦がね、こども抱えて困っているときがあるから、エレベータとかエスカレータのある検索結果とかね、乗り換えで、そういう検索結果を出したらいいよねとか、ルート案内を結果に出そうとか、そういうふうに(言って作ってもらう)

乱暴に、こういうふうに分けるとすると、最初は(自分は)1をやっていました。社会人になって、4~5年くらい。そのあとは2をやってました。
社会人9年めくらい?
転職をする前までくらいなので。
最近は3をやっています。そういう感じです。

神戸さん:
よくわかりました。
で、これをやられるようになられて、(関さんにとっては)ファシリテーションって、どういう感じなんでしょうか。

関さん:
3のところで、一緒に考える……何をしたらいいのかがわからない時に、誰が何に困っているのかって考えるとか、どういう未来があったらうれしいのかとか、どういうシーンで、どういう困ったを洗い出せばいいのとか。そういうことを。どういう機能があったらいいとか、どう実現したらいいかとか、業務フローをどうするかとか、実地検証の仕方とか。
(作りたいひとと真ん中、作れるひとのポイントポイントに、緑の丸を描きながら)この辺りに立ち戻って考えるやり方とか、1のひとなら(作れるひとに対して)いきなり作るんじゃなくて、プロトタイプ作って、で、作って欲しいひととか使う人の反応を見る機会があるといいとか(を一緒に考える)

ワークショップとしては、1の最後、2の真ん中、3の最初で発生したり、そこに戻ったりしていく(工程の)ワークをしてる。
この、緑の枠のところは、だいたいやってる。

神戸さん:
難しいのは、やっぱり3番だと思うのですが、1はやっぱり、やりたいことがわかっていて、ゴールもわかっているので、実現するための道筋がこう、何個かあって、そこに向かうためのやり方とかを考えていくっていう、だからやりやすいと思うのですけど。
3っていう、不満があって、でももやもやしてるというか、何が不満かわからない? あるいは、その不満自体にも本人が気がついていなかったり、そういうところでは、なにをやるんですか?

関さん:
この3の緑の原点は、2つにわかれるっていうのがあって。

既存の手段? それにかわる代替手段があって、その代替手段として、未来の手段を作るやり方と、今はない新しいシーンを想像して、そのシーンで使う仕組みを考えて新しいものを作るっていうことと。
最近は、そのシーンの開発問いうものに取り組んでいるコンサルタントというものもいて、だからきみは「どっちをやりたいんだ」とか。

神戸さん:
後者の(新しいシーンを想像してという)ほうがよくわからないんですけど、あ、企業秘密だったらいいんですけど(笑)
ちょろっと(例を)出せたら…。
なんだか、それって、誰も不満じゃないのに、不満を出させている気がするんですよ

関さん:
(笑)

神戸さん:
今じゃない未来とか、今無い未来を考えるっていうことですよね。
でも、人間の想像力は無限大っていうけど、でもそんなことはなくて、人間の考えうる限界って決まっていて、でもそれって実現不可能だったり、あの、タイムマシンとか。(笑)
それから実現可能だったら、誰かがもう進めているものだったり、社会的発展にそれって結びつかないものじゃないかなって思うのですけど、でも、3でやっていることはすごく意味のあることだと思うので、それって1人で考えたり? そういう(ひとに)何をしているのかなっていう。

関さん:
これって2種類あるんですよ。
(緑の丸をさして、AとBの枠を描く)

A:既存の代替手段(代わる手段の発見)
B:新しいシーンの開発

Aは学術界からヒントを得て、そこで出た方法とか、理論とかテクニックとか、技術とかを使ったらどういう未来ができるのかとか、そういうことから始まる。
これはだいたいが国家予算をかけていたりとか、産学連携みたいな形で、新しく作った技術を産学連携で企業さんが持って行くとか、だいたいこのケースで。
まあ、金の鳴る木なので……これがひとつめ。これは王道ですね。これをやりたいひとたちは、近い未来像を持っているところを探して、お金をかけてやっていけばいい、そこに入って。

ふたつめは、Bは、掛け算っていうのがあって。でもこれは難しいので、だからまずはBの場合は、年表、過去を洗い出して、年鑑とか年表とか、そういう、日本史とか世界史にはありますよね、こう、ここが変わり目だと、世界の変化のタイミングみたいなことが。

神戸さん:
産業革命とかですね。

関さん:
そう、図書館にある、みたいなそういうものを洗い出していって、そこから考えていく。
みっつめは、これから困りそうなこととか、日々疑問に感じながら生活をしていて、ある日はっとこれだ! っていうのを待つ道かな。

神戸さん:
仮説……今までなかったの仮説とかから出来るものを考える、次が過去の事例や世界が変わった事例を学ぶ、それから日常に隠れている小さな不満を拾い上げる。

おもしろいですね、うん、これはとても有効な感じがします。おもしろーい!

3つめは、哲学者的にはよくやっていることなので、でも、1つめは無いですね。
やっぱり、新しい技術みたいなものが、文系ではあんまり出来てこないので。
2つめは、歴史を学ぶと出てくるかもとは思うのですが、2つめの難しそうだなと思うのは、違うファクターがいっぱいある、時代も違うし、生きているひとも違うし、国際情勢も違うし……それを現代に置き換えるというのは、さっき掛け算っておっしゃっていたんですけど、現代に置き換えるっていうのは、よくわからない……。

関さん:
おそらくポイントを絞らないと、たとえば、人間が何かにかける時間を短くしたっていうことを見つけて、そのテクノロジーを見つける。でもこれって1人のひとがやるには時間も足りないし、時間自体もかかるし、そういうのって疲れるし、やってる間に人生が終わってる気もする(笑)

そういうことが、出来るっていうのは、たぶんそこ(問題)の近い職業を持っている人かなと、ある歴史について学術的に詳しい、その歴史をすべて言えるいたいなひと、そういうひとが、作れるって言うひとのところに行って(作る)。全然興味のないところに、いきなり殴りこんで(笑)いったとしても、たぶんそういうことは出来ない。

神戸さん:
あの、この話もそうですし、関さんってお話がすごくクリアで、関さんに来るお客様も、(作りたいものが)できそうだなって思うと思うんですけど、わたしも、おおって思ってて、それで今日お家に帰るけど、じゃあ明日ひとをよんで、これをやろうとするとたぶん出来ないと思うんですよ(笑)
本当にできるようになるっていうのは、こういう(考え方?)ことと別な工夫やテクニックが要ると思うけど、整理して伝えるっていうこと以外に、
お客様に伝えることとか……関さんが居なくても、このステップを組んで、自分で進んでいくことのできるようになるように(しないといけない)。

うん、「知る」と「出来る」の橋は、どうやってかけるんですか。

関さん:
(考える顔でお水をゆっくりと飲む)

聞くひとの姿勢というか、まあ、聞く姿勢も……あるんですけど。
えっと、教育学的には、知識と経験って分けていて。
知識っていうのは文字通り、本を読んだりいとか人から得た情報を、知らなかった世界に対して知っている自分になるということ。
だから高校受験とか大学受験とかは知識のテストばっかりですよね。
でも、社会人になると急に変わって、
別に全部の選択肢が正解で、どれ選んでもいいけど、なんでそれを選んだの
か明確にしてねっていう根拠を求められる業務が非常に多くて、
その判断を求められる、判断ができる自分になるためには、自分で経験して、やってみたことが、やってみた結果こうなったという事例を知っていてl、それを自分の言葉で話せて、自分の経験の代替にするというのがだいたいで。

神戸さんがうんうんっていう、それは知識として入ってきただけですよね。
代替手段にするところまではたどり着いていない、だからわからなくなっちゃう。

神戸さん:
(頷く)

関さん:
だとすると、小さい目標を立ててそこに辿り着いてもらうとか、ややってみてもらうしかない。場数を踏むというか、ひたすらやるだけやった結果。でもその結果は誰からもFBをもらわない、自分でひたすら書き出して自分で見て自分で考えて、やって満足するだけ、自己満足。
だからそのままだと正しいかどうかとかはわからない。自分のなかにそれが眠っているだけ。

でも複数人で、アウトプットしたものを、FBをもらって経験にするという方法もある。
前者はガリ勉さんというか、引きこもりさん。いくらそこに人生の半分の時間をかけていても、それは経験にはならない。
後者は、誰かしらから、たとえば漫画家だったら家族にでも読んでもらうとか、それで誰かにFBをもらって、それを反映したりすると経験になる。

質問の話にすると、聞いただけではダメで、できるようになるにはどうしたらいいか。それは3ステップ。
聞いて終わるだけにするということ、
自分のなかで疑似体験化するステップにすること、
FBをもらって、改善して、そこまでやるっていう、その3段階。
自分はどこまで知識を目指したいかは、聞くときに自分で選べるはず。知っただけでいいとか、仕事で給料を上げたいなら聞いて経験しないといけないとか。

神戸さん:
学ぶっていう段階もありつつ、60人とか居て、一緒にワークをやってみるというなかの場で、練習をシてみて擬似的な経験をしてみて、さらに経験にしてそれを身につけるまで持っていくということですよね。

関さん:
そうですね。月に何回かはやっていて、(この会場にも)来てもらっています。

神戸さん:
お客様だったひとがいるんですね。

関さん:
3分の1くらいそうかな……。

神戸さん:
今すぐ何かを身に着けたいんだっていうひとと、まあ聞ければいいやっていうひとがくると、喧嘩になって、

関さん:
そうです(笑)
1のタイプと3のタイプで一緒にすると喧嘩になる(笑)

神戸さん:
1のひとは1のひと、3のひとは3のひとでテーブルをつくって、ほしいものが違うと喧嘩になるけど、一緒だとうまくいくんだっていうことですね。
ところで、これは関係ないんですけど、話していて質問をすると、これは「5のポイントが」あって、とか「3種類」あってとか、
そう言うのが面白いなと。
体系とか枠組みは、はじめから総整理して理解されているんですか?
説明の時に手法としてわかりやすいからそうしているんですか?

関さん:
その時考えてしゃべっています、。
だから次聞くと、違うこと言ってるときもあります(笑)

神戸さん:
3つとか9つとか言ってましたけど、そういうお話のされ方をするのは何故ですか。

関さん:
答えは1つしかないです(笑)
聞く姿勢っていうのもあって、スピードラーニングのようにシャワーのように言葉を浴びて聞くとか、
自分のなかで体系化しなくていい、とりあえず身体の機能を鍛えるための訓練、音を聞くとか耳になれるとか、そういうのと、過去の経験の中で自分の気づいていることと、それぞれマッピングしたり経験を整理したいという聞くっていうことと。

後者をやろうとすると、がーってたとえば4つのことを喋っていると、(聞く側が)整理できない。
パニックになって(できない)
その瞬間、聞くのをやめたりとか、モチベーションが下がる。
後者をやろうとするときに、連続で違う話を一気にやるのは、暴挙だと思っていて。

じゃあ、何個の話をしようとしているのか、最初に宣言しておけば、すくなくともぐしゃぐしゃにはならない。

神戸さん:
ノートもとりやすいんだろうなと(笑)
聞く人が整理しなければ、体験しないということですね。
すぐ出来るようになりましたか?

関さん:
簡単です。
「2つ話します」って、言うだけ。(笑)

神戸さん:
なるほど(笑)

関さん:
やってみたけど、3つめがなかったら、3つめは自分で考えてくださいって言えばいいんです(笑)

神戸さん:
今日から出来るテクニックですね(笑)

関さん:
これを教えてくれたのは前職のマネージャ。
話したいことがいっぱいあるのに、お前は幾つ話そうとしているんだって毎回注意されていて、そのマネージャはお客様と話すとき、必ず何個はなすのか
言ってた。それを真似した。それを取り入れたのがはじめで……4年前くらい。

神戸さん:
聞くほうが、どのくらい時間がかかるとか、あとこのくらいくるぞっていう心構えができるんですね。
逆に聞き役になるときに、
話がよくわからないひとっているじゃないですか。向こうがシャワーのように、よくわからない情報をがーって言ってくる場合、作りたいひとの立場からはよくいると思うんです。

もやっとしているけれど、なにがもやっとしているかわからない、よくわからないなりに、話し始めるとあっちいったりこっちいったりして。

関さん:
だから真ん中のひとで、それを整理しながら、落とし込みながら聞いてあげないといけない。問いなおして、話しているひとに、自分が整理できるようにしてあげたい。

手ぶらで聞かないといけないときと、情報カードとペンを持っているときとでやり方がずいぶん変わる。わたしはいつもこういうもの(情報カード)を持ち歩くようにしていて、飲み屋でもすぐ取り出して書けるようにしたりとか、話が発散してきたら、キーワードを書いて並べていって、話が戻ってきたら書き足して、
カードワークをする。で、このなかで一番重要なものはどれって聞く。

神戸さん:
(ペンなどが)使えないときは?

関さん:
使えない時は傾聴とかアクティブリスニングの技術をうまく駆使するしかなくて。
良い聞き手になるための学術的方法が、ここ数年でいくつも確立されていて、傾聴だと相手に興味を持つとか、相槌とか頷くとか、繰り返し言う、言い換える、プラスワンのことを加えて繰り返すとか。
ある程度までの段階にきたときに、整理するという段階が生まれるので、この話はあとでまた聞きましょうと分断したり、後回しとか、切り捨てたりとか。
ファシリテーターのときは、アクティブリスニングの手法を紹介してから、今日のワークをやってもらうということとかがよくある。

神戸さん:
なるほど。
(わたしと)真逆だなと思うのは、話していてまとまっていなくてもいいですよとか、まとめないで話していいですよとか(言います)
メモも、取らないでくださいという感じなので……。3つありますとかも言わないし、カードとかも使ってもいいとは思っているけれど、使うgときとは違うことをしたいから、使わないし、目標も決まってないし、どっちにいってもいいよと、時間も切らないし……1回しかやらない、繰り返すこともないです。そうするとできるようになった
という感覚が、だいぶ違うんだろうなと。

そういう、ご自身でできるようになったことでもいいけれど、そういうことをしてきて、役に立ちたかったと言っていましたけど、変化が、何か、ありますか。

関さん:
ファシリテーター側から? 聞き手側?

神戸さん:
ご自身が。

関さん:
ファシリテーター側ですね。

神戸さん:
ご自身が変わった、何かを得た、というのものは?
自分の活動によって、自分に何が起きているかという実感があるか。

関さん:
あんまり実感はないですね。
感想を聞くか指摘をもらうかほめてもらうか……実感はあまりない、お給料が上がるわけでもないし(笑)

神戸さん:
そうすると、活動を継続したり、発展させていくモチベーションってなんですか。

関さん:
大別すると2つで(笑)
1つは本業の給料を上げる。
コンサルティングファシリテーションを業務外の時間で経験値を上げる。
本当はそれを、自分でお金を払って塾にいったり、コーチについたりしてやるものなんでしょうけど。
それを、自分のやりたいタイミングで、やりたいひとにきてもらって、それでお金ももらえるという、それは全然違う。
ギターを習ったりヨガを習うのと同じ感覚で、コンサルの技法を失敗パタンを見て学ぶとか、こういうことをすると失敗するから、お客様にはやめておこうとか。
そういう(習い事と)のと同じなので。
自分が必要ならいつでも開催できるというのはとても大きくて、仕事とは何も関係ない数100人のひとたちとchannelが作れるとか、
そういう世界を自分でコントロールできている、自分が楽しいし、自分が特別感がある。で、モチベ^ションが上がる。

神戸さん:
経験をして、FBを得る。自分で体験して、自分で学ぶ場を自分で作れる。そういうことをしているひとって他にいるのかな……。

自分でお金を稼ぎたいから事業化するとかじゃなくて、自分でやってみようっていうひとはあんまりいないと思うけど、自分で最初からそう思って始めたんですか?
あとから振り返るとそう思ったんですか?

関さん:
うーん……。自分で主催は、始めたのは5年前。
そのときは自分が学びたかったテーマが、日本でやっているのは、年間に2
回とかしかなかったから。

わたしはもっとこの分野とかテーマについて興味もっているひとと会いたいし、議論したいし話したり整理したい、仕事に活かしたい。でもそういう場は無いから、自分で作ったというのが一番最初。

神戸さん:
今日、参加者のみなさんからも、こういうことが聞きたいですとか、質問をいただいてというか(関さんから)まとめたものを送ってもらったけど、わたしからは聞かないです。
なぜなら、その問いは、そのひとがそれを聞きたいというひとの背景とか、いろいろあって聞きたいんだと思うので、それをわたしが聞いても、同じ内容でも違うものになって、あとでちょっと違うとなると思っているので。
だから直接の質疑の時間を長くとりたいと思っているんです。

だから、では、最後の問いです(笑)
ファシリテーターはどこにいますか?

ここにいます以外で……いや、ここにいますでもいいんですけど、どこにいますかって、どこにいるのかな……よくわからないけど。

関さん:
どこにいるんですかね(笑)

神戸さん:
どこにいるんですかね(笑)

場所で探すのは難しそうですね。

関さん:
こういうことが出来るひとをさがす……

(聴衆席から誰々は、という声が飛ぶ)
関さん:
うーん……
誰々さんだって、外に出始めたのは去年出し……僕がやれやれっていって、出て行けっていって自分で生み出したというか、できそうな人を見つけてるっていうか(笑)
職業がらできそうなひとを見つけて、させたりしようとしたり、
ここにもいますけど(笑)

(聴衆のかたを指す)

神戸さん:
質問を変えましょう。
オンリーワンということなので……じゃあ、ファシリテーターがどこにもいないのは何故ですか。

関さん:
なんで、(ファシリテーターに)ならないんだろう……他にやりたいことがいっぱいあるんじゃないですかね。

神戸さん:
やりたいことが……でもこれってやりたいことをやるための方法なので、
やりたいことがいくらあっても、やりたいことと一緒にやるものじゃないですか?

関さん:
やりたいことを自分でやるための場を作りたいひと……作れるひととか。緑のひと(と1~3のパターンのイラストをさして)とかは、自分でやらなくてもいいです、サポーター的な、こう、尻に火をつけて燃やす的な(笑)、そういうポジションが楽しくなるような人種。俺がやりたいっていうひとは、緑のひとじゃなくて、作りたいひとになると思うんですよ。

神戸さん:
関さんは、青のひと(作りたいひと)にはならないんですか。

関さん:
これからなります。もともと青になりたかった、でも自分が人生かけてこのビジネスやっていきたいってものが見つからなかった。じゃあ見つかるまでは、やりたいことのあるひとの支援に回って、見つかったらスーパースタートダッシュを決めようと思って、みどりのひとになった。
だからそういうひとを見つければいいのかも。

神戸さん:
何かの途中にいたり、何かと何かを結びつけることが楽しいと思う人?

やっぱりわからないのが、そこに情熱を感じる理由は、なんですか?
これが楽しいとか、これをやっていることに生きがいを感じるとか、理由……

関さん:
僕は教えるのがすきだった。小学生のときはずっと弟に教えていたし。学生のときは調理番をやっていて、ずっと後輩に教えていた。多分自分が教えているのはもうずっと……7歳くらいから何かしら教え続けている人生だから。そこから教育学に進学もしているし。

神戸さん:
どこにいるか、は、おしえることがすきなひとをさがすですかね。

「お客様のことは複雑すぎて、お客様にしかわからない」

ドラッカーといえば、近年、「もしドラ」という小説や漫画、ドラマでご存知の方も増えた、経済界の偉大なコンサルタント
実は我が家にも、父か叔父の蔵書として幾つか著作が残っていたけれど、お恥ずかしながら、現時点でわたしが読了しているのは、それこそ話題の「もしドラ」のみである。

機会あって、小宮コンサルタンツドラッカーを専門とされる経済・マーケティング・コンサルタント 村瀬氏マーケティング講座を受講することになった。

まず、少し面白おかしく書くとすれば、第一の感想は、「あ、これ、●●ゼミでやったやつだ!」というところ。
すべて知っていたということではなくて、この考え方はもしかして……という、閃きのヒントとなる土台が、自分のなかにかろうじて薄っすらとできているのだなということ。

講師の村瀬氏は、「右脳」のタイプだと自称された。この業界では珍しく、理屈ではなく感覚で伝えるタイプなのだと仰る。ジャズ・ピアノもセミプロだということだったが、そのためではないかと自己分析をされていた。右脳タイプ、ちょうど年末に受けた、「脳活学講座」と、その際に読了した「どんどん脳を使う ~左脳・右脳×2次元・3次元   4領域を鍛えあげて 明日の仕事を変える方法~」が、脳内でぴこぴこと点滅。

では、マーケティング、つまり顧客分析を含む商戦、市場解析ということはいったいどういうことか、といえば、それは「お客さま視点に立つ」ということに他ならない、とドラッカーは言っている(と村瀬氏は主張された)。
この、「お客さま視点(市場)」は、どこにあるのか、というとそれは、「向い合ってコミュニケーションを取ることではなく、お客さまの横に並んで見る」ということ。
これは、Microsoft テクノロジーセンター センター長である澤さんが、昨年2015年06月に、CLR/H with Windows女子部のコミュニティ勉強会でまさにそのまま仰っていたこと、そのものだ。

村瀬氏は実際にわたしたちの席の側に立ち、くるりと先ほどまでご自身が立っていた場所に対峙する格好になった。そうして、
「たとえば今、わたしが提供するサービスを、わたしがみなさまの視点で見ますと、ホワイトボードの文字が掠れていて、後ろの方には見づらいな、だとか、スクリーンに映したデスクトップ画面にポップアップアラートが出ているな、などと、みなさまの方を向いていた時には気が付かなかったことに気が付きますね」と仰った。受けているサービスをリアルタイムで「お客さま視点」で解説してくださるので、おそらく全員具体的なイメージを描いて、【横に並ぶ】ことの意味が理解できただろう。この説明をリアルタイムでおこなってくださったこと自体が、右脳タイプとして、「マーケティング」を見える化して提示してくださった、ということではないかと思う。この運びは、とても興味深かった。

また、販売を、企業視点として、「これ、いいですよ、買いませんか」と提示する方法と、「何にお困りですか、そういうことならこういうものがありますよ」とお客さまに添って提示する方法、この視点の違いは、Microsoft エバンジェリストである西脇さんエバンジェリスト講座でご教示いただいた、「3種の視点(主観的な視点、神様の視点、お客様側の視点」に繋がる。

おかしいな、と思うこと、普段と違うな、と思う変化。
これはマーケティングを徹底する機会であり、ドラッカーの言葉を借りるならば、
「お客さまのことは複雑すぎて、お客さまにしかわからない」という、いつでも機会はお客様視点から生まれるということを意識して、常に気づくためのアンテナを研ぎ澄ませておかねばならないという観点になる。

では、この「気付き」、つまり自分たちの常識を超えて、お客さまの視点や認識と擦りあわせていくこと、これはWindows女子部で何度も学んだ、「要件定義」で繰り返し考えてきたことで、こうして次々に点が線になる瞬間は、とても楽しい。
そして、同時に、これだけ繰り返し学びながらも、気を抜けばするりと掌からこぼしてしまうのが人間で、改めて意識すれば記憶の底にも、こころの底にも、それは確かにあるのに、いつしか残滓だけになっていることに気がつくことになるのだと自戒する。常に、日々ひとは反芻し、反復し、そうして身に付けるのだ。行動も、思考も。覚えていると思っていても、薄れていることに気がつく。そういうことも含めて、いろいろな自分の意識の散漫さを痛感した研修となった。

ちなみに、最も基本的な質問として、ドラッカーの多数ある著書のなかで、講師の村瀬氏が最もお勧めする著作を伺ったところ、やはり「マネジメント」ということだったので、欲張らずにまずはきちんと、近日中に読了したい、所存。